保険

家財保険はいくら掛けるのがいい?

火災保険は、建物だけでなく家財も補償対象になります。

ただ、どういう損害を補償してもらえるのか、どこまでの範囲の物が補償対象となるのか、いくらまで補償してもらえるのか、なかなかイメージがつかないことと思います。

そのため、火災保険に加入する際に、家財についてはどうすればいいのか悩んでいるという人も多いのです。

そこで今回は、火災保険で言う「家財」とは何なのか、家財の火災保険(家財保険)は必要なのか、保険金をいくらに設定すべきなのか等について、持ち家と賃貸住宅との違いにも触れながら、お伝えします。


そもそもとして、何が家財保険の対象になるのか分からなければどれくらいの保険金額が必要なのかも分かりません。まずは家財保険の補償の対象となるものを紹介します。

補償の対象となるもの補償の対象にならないもの
電化製品、家具、衣類、食器などの生活用動産1個(1組)の価額が30万円を超える貴金属、宝石、書画、骨董等
※別途明記が必要
建物に付属しているもの自動車動植物現金・小切手・有価証券
(生活用の通貨、預貯金証書などは盗難に限って補償される場合あり)パソコンなどの中のプログラムやデータ仕事で扱う什器や商品家財を建物の外に持ち出している間に発生した損害

上表の通り、家財保険の対象となるのは基本的に電化製品、家具、衣類、食器などの生活に欠かせない「動かすことができるもの」です。引っ越しの時に持ち運んでくるものをイメージするとよいと思います。浴槽や調理台、ふすま、建物に取り付けてあるエアコンなどは「建物」の方での補償となります。

「家財」の補償は必要か?

次に「家財」に火災保険をかける必要性についてお話しします。

火災保険では基本的に、補償対象を「建物」「家財」「建物+家財」の3種類の中から選ぶことができます。

そして、持ち家の場合と賃貸の場合とでは、考え方が全く違うので、分けて考える必要があります。それぞれ区別して考えてみましょう。

持ち家の場合

まず、持ち家の場合、火災保険の対象とするのは「建物」と「建物+家財」の選択肢がありますが、生活の本拠にするのであれば、「建物+家財」を選ぶことをおすすめします。

なぜなら、家財1つ1つは大した金額ではなくとも、全ての金額を合わせると意外と大きな額になることが多いからです。

たとえ高価な宝石・貴金属、有価証券等がなかったとしても、電化製品や家具、寝具などの基本的な家財をひと通り買いそろえるだけでも、それなりの額になってしまうはずです。

したがって、よほど経済的余裕があるのでなければ、家財にもきちんと保険をかけることをおすすめします。

賃貸の場合

賃貸住宅に住む人の選択肢は「家財」のみです。

そして、特に賃貸の場合に知っておいていただきたいのが、火災保険は、家財自体の損害を補償してくれるだけでなく、以下の3つの重要な役割も果たすことです。

  • 家を燃やしてしまった場合の家主への賠償金等の補償【借家人賠償責任特約】
  • 他に燃え移らせてしまった場合の弁償金等の補償【失火見舞費用特約・類焼損害補償特約】
  • 他人に損害を与えてしまった際の賠償金等の補償【個人賠償特約】

これらの補償、とりわけ借家人賠償責任特約の補償は、家財に火災保険をかけなければ受けられませんので、たとえ家財自体の価値がたいしたことなかったとしても、これらの補償だけはきっちり付けて加入しておくことをおすすめします。

家財の保険金額はいくらにすればいい?

どのようなものが家財保険の対象になるのか分かったところで、本題の「家財保険はいくら掛けるのがいいのか」についてです。

保険金額を高くするほど保険料は高くなりますし、保険料を抑えるために最低限の保険金額にしていた場合、買い直しの費用に足りなくなる可能性があります。一般には、持っている家財を全て買い直すのに必要な金額で保険金額を設定するのがおすすめされています。火事で全焼するなどして家財を全て失ってしまった場合に買い直すことができるように設定するのです。なお、それより大きな金額で設定していても実際の被害額までしか保険金が支払われないので保険料の無駄払いとなります。

とはいえ、家財を全て買い直すのにいくら必要なのか把握している方は少ないかと思います。そこで、各保険会社は家族構成や専有面積をもとにした簡易的な保険金額の目安表を用意しています。以下で紹介するのはその一例です。

簡易評価表

家族構成をもとにした簡易評価表の一例

家族構成2名
大人のみ
3名
大人2名
子供1名
4名
大人2名
子供2名
5名
大人2名
子供3名
独身世帯
世帯主の年齢25歳前後490万円580万円670万円760万円300万円
30歳前後700万円790万円880万円970万円
35歳前後920万円1,000万円1,090万円1,180万円
40歳前後1,130万円1,220万円1,310万円1,390万円
45歳前後1,340万円1,430万円1,520万円1,610万円
50歳前後
(含以上)
1,550万円1,640万円1,730万円1,820万円

専有面積をもとにした簡易評価表の一例

専有面積33㎡未満33㎡~66㎡未満66㎡~99㎡未満99㎡~132㎡未満132㎡以上
保険金額450万円880万円1,050万円1,490万円1,980万円

※簡易評価表には明記物件の額は含まれていません。
※上表は家財簡易評価表の一例です。保険会社によって評価額が異なる場合があります。

簡易評価表はあくまでも一般的に必要な金額の目安です。断捨離をして家財があまりないので保険金額も小さくするなど個人の実態に合わせて目安から上下させてください。

高額な貴金属や宝石、骨董などの扱いに注意

家財保険はあくまで生活に必要な動産の損害を補償する保険です。そのため、1点または1組30万円を超える高額な貴金属や宝石、書画、骨董など(いわゆる「明記物件」)は別途保険会社に申告しなければ、補償されなかったり、最大で30万円までしか補償されなかったりします。保険会社によっては申告をしなくても補償を受けられますが、合計で500万円までなどの上限が決められています。

明記物件に対する補償については保険会社によって割と違いがある部分なので、契約する保険会社にどのような扱いになるのかよく確認しておくようにしましょう。

まとめ

家財保険の補償対象は電化製品、家具、衣類、食器など生活に必要な「動かすことができるもの」です。家にある家財を全て買い直すのにいくら必要なのかをもとに家財保険の保険金額を設定するようにしましょう。必要な金額が分からない場合は実際に必要な補償と保険料のバランスを考えて保険金額を設定するようにしましょう。

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